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前週のインド株式市場は、プラス圏に浮上する場面もありましたが、週間では小幅な下落となりました。インド中央銀行(RBI)の金融緩和的な政策スタンスや祝祭シーズンの需要への楽観的見通しが下支えとなる一方で、米国との貿易協定の不確実性、トランプ米政権による高度技能職向けの就労ビザ「H-1Bビザ」の申請手数料引き上げなどが引き続き重しとなっています。また、通貨インド・ルピー安(対米ドル)を背景に、外国人投資家(FIIs)の売り越し傾向が続いており、週を通じて807億ルピーを売り越しました。一方で、国内投資家(DII)は、1,383億ルピーを買い越しました。主要企業で構成されるNifty50指数は、前週比で0.7%の下落となりました。規模別の指数では、Nifty Midcap150指数とNifty Smallcap250指数は、それぞれ0.6%と0.9%の下落となりました。インド株のVIX(ボラティリティ指数)は4.4%下落しています。商品市場では、原油供給の増加やOPECプラスによる増産期待などを背景に、原油価格が5%ほど下落し、64ドル近辺で推移しています。
セクター別の株価指数を見ると、Nifty金属指数(2.2%)は、世界的な銅価格の上昇と欧州で鉄鋼関税を50%引き上げるとの憶測が広がったことなどを背景に上昇しました。また、Nifty銀行指数やNifty公的金融機関指数に加えて、自動車や小売セクターも堅調な動きとなりました。一方、Nifty IT指数(3.0%)、Nifty耐久消費財指数(2.2%)、Nifty不動産指数(1.6%)などの下落が目立ちました。

通貨インドルピーは、外国人投資家の資金流出や世界的なリスク回避の姿勢などを背景に、対米ドルで88ルピー台と過去最安値圏で推移しています。インドの10年債利回りは小幅な低下となりました。

